ご感想

お能が心身に及ぼす影響力を身をもって体験された中村文華さん

お能に
   助けられ
   励まされ
突然の心臓発作による心停止状態となり、
重い心臓病であることを医師から告げられ蘇生したのが、
2014年7月31日。
お能に出会ったのはその翌年の
2015年3月でした。
有難いご縁でした。
2022年三月で
お能歴は7年になります。
初回はグループでのお稽古に参加させて頂きました。
とても緊張していた私ですが、貴美子先生にお会いした時に、先生の包み込んでくださる様なお優しい雰囲気に、緊張が解けていったのを覚えております。
お能を体験するまでは、
お能って難しくて良くわからない、敷居が高すぎる!
と言う印象でしたが、
実際に体験してみると、お能の印象は全く変わりました。
お能を知らずにただ敷居が高すぎると感じていただけ。
お能には私達が健康で喜び溢れる日々を送る為に必要な大切な事柄が沢山詰まっている事をその時に教えて頂き、
また、
先生のお声の素晴らしさに心を鷲掴みされ、
一回目のお稽古で、
お能に惹かれてしまい
個人レッスンをお願いし、スタートしました。
実は私の祖母や母がお能を嗜んでおり
冠婚葬祭事には、必ず謡が披露される環境におりましたが、
その頃の私はその日本の伝統芸能の素晴らしに興味を持つ事も無く成長しますが、
後に
お能に助けられる素晴らしい人生になるとは、当初のお稽古時は勿論想像すらせずにおりました。
毎回のお稽古が楽しくて、年末の体感会の準備練習をしていた
2020年10月の終わり、数年ぶりの強い心臓発作がおき、緊急搬送。
私の心臓はかなり深刻な状況になっており、お能も中断せざるを得い状態に。
生活自体が普通に出来ない中、外出等は到底困難でしたので、
大好きなお能ももう出来なくなってしまった::
と落ち込んでいた二月のある日
zoomでのお稽古が出来ると聞き
2021年3月8日から有難いことにお稽古再開への運びとなり
そこから
お能が心身に及ぼす、素晴らしい影響力を私自身が身をもって体験して行く事になります
最初声が出ず:::::
しかし稽古をはじめると、今迄の意識とは違う意識の自分がそこにありました。
病の為に声の張りは以前の様には無くなっていたのですが、
教本の美しい文字の言霊力と、先生と一緒に謡う中でのバイブレーションの作用で、
私の細胞が活気づけられていくのです。
身体の芯から温かくなり、
まるで森林浴をしている時の様に呼吸が深くなり気持ちが良い!
足裏は、
大地にしっかり根を下ろした大木の様な感覚にもなるのです。
短時間でこんなにエネルギーが循環して身体の中のお掃除が出来るなんて!
お能のその様な有り難く嬉しい身体への作用は、
体調が良く無い日のお稽古では更にはっきりと、現れました。
お稽古始めのあおうえいの母音発生では、
顕著でした。
肉体の体調不良が母音発生に影響する事は全くなかったんです。
ありのままの自分がそこに居るだけ
何者になろうとせず、今、此処に居れる事がお稽古できていることがありがたかったんです。
当たり前が当たり前ではなくなった時、
全てが有難いと思う。
静か唯母音に乗せて息を吐いて行くだけ
静かに静かに静かに。
すると、それは響きとなり、
静かに発した自分の母音が、自分の身体の内側に響いて広がっていきました。
空気と自分が一体になった様ななんとも心地よい感覚。
同時に
身体の緊張が緩んで行き、肩の力や、胸の緊張、が取れリラックスしていきました。
深く長く続く母音に驚きました。
その感謝と喜びのバイブレーションの体験が私の心臓さんにも伝わって行っていると確信しています。
お能のお稽古での、その様な体験を重ねる度に
体調が良く無い時にこそ、お稽古をする事で、心身の調和へと結び着いて行く事を実感しています。
(zoomのお稽古って有難いです)
私にとってお能は、生活の一部となり、
一番のお薬
本当に感謝です。
2021年8月に心臓の手術を致しましたが、お稽古をお休みする事なく、ズームで続け、初冬の体感会への参加を目標にしてお稽古を続けて行きましたところ、
私の心臓は徐々にご機嫌さんになって行き、無事に目標の発表会に参加する事が出来ました。
現在に至りましても、心臓病はあるものの、とても、元氣に過ごすことが出来ております。
井上貴美子先生に出会えて、お能から沢山助けられ、
また今こうして、お能の素晴らしさ、自分の体験を通して書かせて頂けている事、とても有難い事です。
健康能楽!
日本の伝統芸能のお能の素晴らしさを多くの方々に知っていただき、体験していただけたらと思っております。
お能は
鎮魂
そして、
病気の人々を癒す為のものであったとも、
貴美子先生のお父様の井上和幸先生が教えてくださいました。
世の中が変化して行く中で起きる様々な事柄。
その中で生きる上で最も大切な一人一人の幸せこそが、
世の中を平和に導く道であると思っています。
お能の世界にはその慈しみの愛がしっかりと伝えられているとおもいます。
お能に出会えこの人生は、本当に愉しく幸せです。
貴美子先生、いつも有り難う御座います。
  生涯お能と共に
   中村文華
  ニックネーム(虹華)
     59歳

戸塚のお稽古に参加された坂元知美さん

無我の心身に響く謡~天地と繋がる能楽の魅力

今月より古巣の団体稽古に戻り、皆さん変わらぬ笑顔で迎えていただきました✨
謡はこれまで稽古してきた「紅葉狩」ワキ(平維茂)から再び「高砂」ワキ(神主友成)へ。
先輩方が新年会で披露する謡「吉野天人」の稽古もご一緒しました。
驚いたことに、隣に座っていたシテ(天女)の先輩が発した登場の第一声がこの世の者と思えぬ、まるで天から響いてくるような声だったのです。しばし聴き入りました。
「高砂」稽古の時には、この秋に結魂された友人夫妻の顔を想い浮かべながら寿いでいると、自分の声が自分のものでないような、それでいて全く疲れを感じずどこまでも声が伸びていくような感覚を覚えたのです。

高砂や
この浦舟に帆をあげて
この浦舟に帆を揚げて
月もろともに 出で汐の
波の淡路の島影や
遠く鳴尾の沖過ぎて
はや住の江に着きにけり
はや住の江につきにけり

能楽の稽古を続けていくうちに、視えない存在にこの身を明け渡す感覚を感じるようになりました。天地と繋がり、長い呼吸で、細胞に謡を響かせる、そうしたときに我欲から離れた心身は言靈と共振・共鳴しているのでしょう。
稽古の後は清々しい氣持ちと共に振り返りを行いました。先の天女の声を発した先輩が謡っていたときの不思議な感覚を笑顔で共有してくれました。
みんな根っこで繋がっている、そのことを改めて実感しました。感謝✨

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